スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

VOICE IN THE WIND

 ここ数日の暖かさで一気に母の庭に新しい命が顔を出し始めた。凄い勢い。病と病の薬で自分の体がいうことをきかなくなってから、まだ少し体力が残っているうちに庭の後始末と整理をしていたので、数的にはピークの半分ほどの数だけど、それを果たして私が絶やさずにキープできるか全く自信がない。困っている。なのでここ数日はネットで植物の勉強と、100円ショップで買った多肉植物と観葉植物の植え替えなどをして、自分の足らない頭の中に「植物」というスペースを作る作業をしていた。自分はこの庭の「庭番」になったのだという意識を植え付けた。派手な花などなく、歳をとるにつれ自然の美しさを愛した母は、山野草というものに辿り着いたので、それなら、と私も一緒にモノと名前だけは覚えたりしたけれど、どうかなあ。出来るのかなあ。とりあえず芽が出てくれない限りはそこから何が出てくるかわからない。ここ数日で更にニョキニョキしてきて、不安はあるが、少し嬉しかったりする。どの場所に母が何を植えたかわからないって、まるで宝探し。一緒に遊んでいるような気がしてなんだか嬉しい。

 今年に入って、2012年のフランク・ザッパリマスターの時並みの勢いでザッパのアルバムを購入していたのだけれど、実は今月になって細々と吉田美奈子様の持ってないアルバムを買ったりしていた。本当はお兄様のリマスタリングのものも狙っているが、とりあえずまだ在庫はありそうだし(かといってウカウカしてはいられない)、最近買ったザッパCDがどちらかというと自分でも頑張った金額だったのでリマスタは先延ばしって事で。美奈子様は大抵のものは持っているが、初期の数枚と彼女はやたらベスト盤があるので、いくら好きといえどもコンプリしているわけではない。まあ永遠に買えないであろう超高額な『吉田箱』ってものがあるから、美奈子さんのコンプリは絶対にあり得ないワケ。で、これも一応ベスト盤なのかな。買ってよかったなあ。

VOICE IN THE WIND (SACDハイブリッド盤)VOICE IN THE WIND (SACDハイブリッド盤)
(2004/11/03)
吉田美奈子

商品詳細を見る


 初めて買った美奈子様は『扉の冬』。10代後半に。なんという歌の上手い人なんだろうと思って、若いのに地に足のついたしっかりした歌声の彼女に夢中になった。まだ初々しいと感じる中に揺らぎのないものがあると感じ、それは今も全く変わらず続いていて私を魅了する。バックはキャラメル・ママ。ファーストにしてなんという豪華な。そして『FLAPPER』に『愛は思うまま』それからそれから…とズブズブはまった。20年以上、彼女の虜。他の女性アーティストはほとんど聴かないのでわからないけれど、彼女は特別だ。愛していると言っていい。

 彼女の歌う女性の姿は強くもあり弱くもある。その姿を私は美奈子さんそのものとして重ねて見ている。夏が過ぎ、秋が過ぎ、そして寒く厳しい冬になると、ああ、美奈子さんが聴きたいなあ、美奈子さんの季節になったなあと思うのだが、昨年は特別だった。母親の入院している病院に毎日何往復したか。ずっと一緒にいてあげられれば最高だったけれど、旦那さんの弁当に家事に、そして何よりも留守にしている母の庭の水やり係!冗談で「枯らさないでね」なんて言われたので毎日走り回った。夏は酷い暑さだったものだから病院から帰ると土がカピカピになって慌てて水をやってまた病院へ行くといった毎日で。そんな中、自分の居場所がわからなくなり、唯一の心の支えが美奈子さんの歌だった。いつまで続くかわからない心配と不安と疲労の毎日で唯一心の休まる場所が美奈子さんの歌だった。特に晩夏から秋にかけて毎日聴いていた『TWILIGHT ZONE』は私にとって特別のアルバムで、色々な思いが詰まっていて、まだあのアルバムについてどう好きなのかとか、どういった気持ちで聴いていたかは書くことができないけれど、1曲目のイントロ聴いただけで涙がこぼれてくる。あれは魂のアルバム。私が死んだらあのアルバムを聴いてくれ。なんつって。

 母が亡くなり、しばらく美奈子さんの音楽を聴けなくなった。しなければいけない事が山積みで、そこで立ち止まるわけにはいかなかったから。ある程度落ち着き、12月、まさに本格的な冬になって、美奈子さんを聴けるようになった。数ヶ月不在だった私の耳に美奈子さんが戻ってきた。温かい声だった。大きな声だった。やはり愛していると言っていい。確信した。

 そして先週買ったこのアルバムの魅力に参っている。『VOICE IN THE WIND』。凄い。1フレーズ目から鳥肌。村田陽一さんのアレンジ、そして美奈子さん+BRASS ART ENSEMBLE!そう、これはバンドサウンドでなく、バックがブラス。ブラスvs声とはどんなものかと思って今まで手が出なかったアルバムなんだけど、美奈子さんの世界がより深く尊いものと感じることが出来る。純粋に声の美しさを堪能できるというか、ここに描かれている世界が完璧過ぎてクラクラする。ザッパでもあるでしょ、ブラスセクションを加えたアンサンブルのアルバム。ああいった位置と考えてよいものかなと思うけれど、いやあ、参るなあ。リズムのノリとか、グルーヴとかお洒落な聴き方ではない。そういったもので誤魔化せる世界でなく、美奈子さんの声がひとつの楽器となって、ごくごく自然に入ってくる。これぞ音楽といわんばかりの緊張した世界。美奈子さんの声の迫力と美しさに圧倒される。選曲が普通のベスト盤で選ばれる「いかにも」なものなどなく、特別な気持ちでセレクトされたものばかりなのか、それがまた非常に愛しく、素晴らしいアレンジとなっている。私の大好きな「Temptation」「雲の魚」が入ってるのが嬉しい。ザッパ先生で鍛えられた耳がここで活きているんだと思うが、こういった音楽も普通に受け入れられるようになった。もう少し若くて、ザッパの音楽を聴いてこなかったら、このアルバムの良さに気付けなかったかもしれない。

 やはり、愛している。

●先週のMy Top 3 #lastfm Artists: 吉田美奈子 (112), Frank Zappa (105) & Leroy Hutson (7)

BGM:吉田美奈子“VOICE IN THE WIND”
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。